歪んでしまった価値観と生きるには

  僕のなかで今だにコンプレックスなことは大学受験のことだ。要は、学歴コンプなのだ。

  現役の時に持病が原因で受験に失敗した。もしかしたら受験や学校生活が嫌で、病気のせいにしたかったのかもしれないと今になっては思う。とにかく、受験に失敗し浪人を1年経験した。

  浪人したはしたで良かったこともあったが悪かったこともあった。

  良かったことは持病が急速に良くなったこと。やはり学校生活がストレスだったのかもしれない。持病自体は良くなったし性格も明るくなったけど、色々と価値観が歪んでしまった。大学受験への目標や目的がうまく掴めないまま1年が過ぎ去った。あっという間だった。

  悪かったことは、挑戦する意欲が失われていたことと、喪失感を背負ったこと。それでもって、学歴コンプを発症したことだ。ほぼ現役時代は勉強なんてしていなかったから、知識なんて皆無の状態で中堅私大に引っかかったのは運が良かったのかもしれない。もしくは地頭があったのかなとか勘違いした。浪人中はそれなりに勉強はしたが、正直体調は全快ではなかったし、性格的にもひねくれまくって手が付けられない状態だったから、実質本気で勉強したのは4ヶ月くらいだろう。今思うと危ない橋を渡ったなぁ。

  浪人で背負った学歴コンプは今も僕を苦しめる。成長意欲というか向上心が強く負けず嫌いだから尚更だ。今から東大大学院か早稲田あたりを受け直そうかと考えてるほどだ。

  持病はかなり良くなった。でも、歪んでしまった価値観はさらに歪み続けている。あの時失ったものを、惜しいと今だに振り返ってしまう。学歴が全てじゃないとは分かっている。でも僕には学歴の代替になりうるものが分からないのだ。趣味で頑張ろうとか仕事で頑張ろうとか、例えば何かで頑張ったとしたらその傷は塞がるかもしれないが、何で頑張れば良いか分からない。

  性格とか価値観とか、そういった心の奥底にあるものは変えられるのだろうか。僕はこの喪失感と歪みを抱えたまま生きられる気がしない。でも生きなくちゃいけないんだよな。