innate8の日記

大海を泳ぐ

変わりたいと思っている人の多くは、論理的な飛躍に陥っている

例えば、引っ込み思案な性格を変えたいと願ったとき、頭では段階を踏まないといけないことは理解できているがそれを習慣として刷り込ませることに膨大な時間を要することは理解できていない。
変わりたいと願ってアクションを起こしたら、アクションを起こした時点でなにかしらの変化が望めると人間は思ってしまうらしい。
私たち人間が体を鍛えて筋肉を付けるとなるとそれなりの期間継続的にトレーニングして細胞分裂を促す必要がある。しかも、目標に見合った負荷をかける必要がある。それに加えて様々な因果関係で筋肉が衰えることも加味すると、筋肉をつけるのも中々難しい。
人間の認知や意識の話でも同じことが言えると思う。
人間の思考は脳細胞・シナプスへの電気信号など物理的な物で形成されている。筋肉と同じで細胞分裂を繰り返して脳回路の結合を行う訳だから、万年ネガティブがいきなりポジティブ野郎になれる訳がない。だって、脳細胞が繋がるにはそれなりの時間を要するから。筋トレでは自分の筋肉が理想型になるまでにかなりの努力を要するのに、認識改善が簡単にできてしまうと考えるのは甘すぎる。

変わりたいと願った人が変わるためにはジリジリとステップを踏んでいくしか他に方法はない。対人恐怖症を克服したい人はいきなり対面でコミュニケーションを取ろうとするのではなく、最小の単位で目標への道のりを分解することから始めるのが良いと思う。
対人恐怖症にも色々なパターンがあるが、対面よりもネットや電話などで慣らすことや人ごみの中をただ無言で歩く、レジ店員にありがとうと言うなど、できるだけ細かいステップを何度も繰り返して刷り込ませる。
それによって人はジリジリと変わっていく。変われないと思う人は、自分の変化が緩慢すぎて気がついていないだけで、長い目で見れば確実に変われると僕は思う。

そして多くの人に共通して言えることは、変化のプロセスがあまりに緩慢過ぎて途中で投げ出してしまうことが多いと言うこと。
それへの対応策としては、目標を分解したステップの終盤部分の先取りができるならすること初期投資をどかっとしてしまうこと、そしてライフログを取ることが良いと思う。
対人恐怖症を克服したい人は克服後の目標をリアルに思い描いてみる。克服後は社会人として働きたいと想像したなら、まず始めに克服後に就職活動で着るスーツを買ってしまう。そしてそのときの気持ちをログとして書き出しておく。投げ出しそうになったらこの地点に戻れば良い。