innate8の日記

大海を泳ぐ

自分の都合の良い文脈だけ切り取って批判するのはフェアじゃない

 インターネッツの普及で誰も彼もが自由気ままに批評できるようになった。しかも匿名で。今や日本は一億総評論家時代を迎えたのだ(ちょっと言い過ぎか)。

 匿名性とネットの普及・若年層の利用率増加、生活への浸透が相まって、ネット上には、ある事無い事書かれたり罵詈雑言や到底表の世界では使わない様な汚い言葉・罵りが飛び交い、ミスリードで人を陥れようとするなど、玉石混淆でもはやカオス状態だ。低いネットリテラシーや想像力が欠如している人々ーーつまりバーチャルの向こう側に様々な価値観を持った人が居る事を認識していない・または認めようとしない人ーーが少なからず存在している。
 昔からネットを利用している人は、「そんなもん昔からいたし、何も変わっちゃいない」というだろう。多分その通りだ。昔は2chとかチャット、個人HPなどの、限定的な場所に上記の人々は住んでいた。しかし、ネットの技術も飛躍的に進歩しユーザーの相互交流が中心のものへと変わり、ありとあらゆる場面で個々人の意見が反映されるようになった。つまり、さまざまなサイト・WEBアプリで匿名的コミュニケーションができるようになり、その絶対数も増加した。限定的な場所に住んでいた人々が、概括的な場所に出てきたのか? 確かにその側面も少なからずあるけど、むしろ限定的な場所が増えたのとそれらを繋ぐパイプが太くなったんだと思われる。

 という訳で、厖大な口コミがネット上に蓄積されて、多くの人がそのローカルな情報を目にすることができる。まとめサイトで不明瞭なソースを鵜呑みにして叩く。必要以上に叩く。おもしろがって批難する。

 で、タイトルの話。

 僕の好きなバンドの話を例にしようと思う。  そのバンドは最近新譜をリリースしたんだけど、正直批難が多い。「変わっちまったな」とか「昔の◯◯と違う」とか、そういった類の批難だ。しかもこういう批難をする人ほど、昔から聴いているとか、大ファンだとか言う訳である。さも、昔から信じてたのに裏切られた様な事を言う。僕から言わせてもらえば、確かに変化はしたのだけどその兆候は十分あったしメディア方面でも変化に対する発言はしていた。僕の勝手な解釈かもしれないけれど、スポット的においしい所だけを切り取ってきたリスナー(youtube等でしか聴いたことがないとか、代表曲しか聴いたことがない)が、勝手に失望してダメだダメだと言っているようにしか思えない。もしかしたらアンチがミスリードに導こうとしているだけなのかもしれないけれど。ともかく、このバンドを例とするなら代表曲以外や本人たちの発言なんかを当たってみてから批評してみましょう、という事です。良い発言も悪い発言も。

 一番良いのは自分の感性を大事にして、そんな批評は犬にでも食わしておけ!って所なんだろうけど、如何せん悪い発言の方が目立ちやすいようで。